59歳 膵臓癌stage4手術手遅れ不可2018/6告知。抗癌剤に重粒子線治療併用し7cmから2cm弱に小さく!Pancreatic Carcinoma

抗癌剤 mFOLFIRINOX半年で膵臓癌腫瘍1/3。2019/2重粒子治療。2020/3アブジェム。2020/10重粒子線治療2回目。2021オニバイド+5FU、TS1。

★2019/09/11 手術不可が手術可になったのに、手術をしない決断をした理由。

★スマホでは改行など読みにくいと思います。すみません。
■前提
・現在の医学で、膵臓がん寛解(=治癒)は、癌の完全なる摘出手術以外、方法はありません。
・今回、折角の手術可能性を見送った後、月日を経過し、Stage4の癌患者(私)が手術を要求した際には、手術できる可能性は相当低くなると考えるべき。最後のチャンスかも。


■まとめ
・2018年6月の癌発見から今(2019年8月)までずっと手術不可の診断でした。
・しかし、2019年7月末の造影剤CTの読影から、胆膵外科の先生の判断で、
 「患者さんが強く希望されるのでしたら、手術を行います」との事。
・いわゆる、切除不能 局所進行 膵癌に対する Conversion Surgery (発見当時は切除不能でも、抗がん剤治療を行って腫瘍を縮小もしくは勢いを抑えてから行う切除手術) です。
  Conversion Surgery 論文 北海道大学 大学院 医学研究院 消化器外科学教室
・しかし私の場合膵臓全摘や各種切除/再建を伴う大手術が必然で、
 手術のダメージを自分に追加で与えるだけで、QOL低下を免れません
・また、術後も抗癌剤は基本的に継続しますので、副作用も継続する事になります。
・よって、今の抗癌剤の副作用に、手術によるPSやQOLの低下が加わる感じです。
上記前提があっても、自身で手術という引き金を引き、OQL低下を招くのは、
 私の生き方では無いと考えて
手術は行わないと決断しました。
・先週末からずーっと考えてました。結果的に結論はブレなかったのですが、
 癌になってからでも、今回の判断は一番大きな決断でした。


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 詳細
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■癌発見から今まで、ずっと手術不可だった。
2018年6月の膵臓がんStage4発見以来、国がん中央の主治医(肝胆膵内科)の先生から、肝胆膵外科の先生への意見照会含め、手遅れで手術不可との見解と聞いていました。
手術不可の理由として、
 ・発見時5cm以上の腫瘍の大きさ、
 ・すい臓周囲の血管への浸潤、
 ・CT画像などから腹膜播種もしくはリンパ節転移の疑いあり、
と聞いていました。


■発見当時(2018/06/14)の造影剤CT
 緑色ラインの平面でも66mmのがん(大きい癌のせいで膵臓が膨らんでいる)と、
 赤い四角の門脈(小腸から栄養に富んだ血液を集めて肝臓に入る血管)。

 門脈の周囲全てが、がんに浸潤されていた状態。


■手術可の可能性を指摘された、2019/7/25の造影剤CT
 膵臓の形が分かりやすい状態。
 赤い部分が、抗癌剤で小さくなって、重粒子線治療で壊死したがん

 門脈の周囲のがんが見えなく(壊死含む)なって、血管に癌が接していない状態

この造影剤CTから、国がんの肝胆膵外科の先生の見解として、
患者さんが強く希望されるのでしたら、手術を行います」との事。
 (患者側から手術を強く求めた事は無いのですが。。。)


■手術をする場合の内容
 ・膵臓、十二指腸、胆管は全摘。残せたとしても膵尾部1cm程度。
 ・胃,大腸,左腎臓の一部や、膵臓周辺のリンパ節や神経も切除する予定。


 ・小腸をもってきて,膵管と小腸,胆管と小腸,胃と小腸を繋いで再建
 ・門脈を切除してつなぎ直す合併切除・再建。書いてて図画工作かとクラクラします。


 ・手術時間は10~20時間程度かかる大手術
 ・退院まで2か月はかかる。
 ・その入院中も抗癌剤は続けますが、今の強力な効き目/副作用のFolfirinoxではなく、
  抗癌剤を休薬したり、効き目が穏やかで比較的副作用が軽いTS-1になるので、
  その2か月入院中に癌への抑止力が弱まり、転移や再発の可能性も増える


■手術をした場合の術後の生活
 ・インシュリン注射など必要で、他に様々な状態も出てQOL低下は免れない。
 ・当然、再発や転移防止のために、抗癌剤は続けるので、
  今の抗癌剤起因の、痺れや疲れの状態は治まらないか、増す。 
 ・つまり、今続けている抗癌剤/副作用は継続したまま、
  手術の負荷を増加するわけで、
  癌を取り除けて寿命が少しだけ伸びたとしても、
  退院と同時にQOLが下がった生活が待っている


■現状の抗癌剤、副作用、体調
・今年初め16回目のmFolfirinoxからオキサリプラチンを抜いた状態(副作用で最も辛かっ
 た味覚障害や吐気の抑止のため。)で継続中。2019/9/10で27回目となりました。
・癌による悪液質などの自覚症状は無く、発見当初あった背中の痛みも今は無い。
・抗癌剤の副作用として、手足指先の痺れや、疲れ(倦怠感)があります。
 ふらつき、手足症候群(手足がヒリヒリ、チクチク、知覚過敏)、感覚障害、
 末梢神経障害などもありますが、どの副作用も悲観的なレベルではありません。
・癌そのものによる痛みの自覚症状は現時点で、一切ありません。
・今のところ、抗癌剤点滴前の血液検査の結果で、点滴中止になったことはありません。
・癌発覚前と比較すれば、疲れやすく、体感で体力は50%ですが、
 通院日以外はほぼフルタイム出社(フレックス)し、
 ゆっくりしたスケジュールであれば、自分で車を運転し、
 川口から奈良実家や温泉に行ける体力は充分あります。


自身の治療方向性:切除手術の可能性がある現状で、今の体調から考えた方向性


・最上部の前提を理解した上で、抗癌剤や重粒子線治療などを積極的に行い、
 腫瘍の矮小化/無力化や、再発や転移の予防に力を注ぎ、
 癌との少しでも長い共存を中心に、これからも過ごします。


・このまま癌が暴れるのを抑えられている現状を伸ばせるのであれば、
 抗癌剤を継続できるまで、細く長く、極力継続したい状況です。


・手術することで、QOL低下になるのが見えている中で、手術を行う選択肢は無い。


・現行抗癌剤のmFolfirinox(オキサリプラチン抜き)の効き目が弱くなったら、
 まずはオキサリプラチンを復活させ様子を見て、
 だめだったら、次には、ゲムシタビン・ナブパクリタキセル療法と進める。
 


・再発/転移などで重粒子線治療が可能な場合は、再び重粒子線治療を行う。


2019/12/4 Update
・膵臓癌のConversion Surgery(以下CS)について先日聞きに行った講演会で、その優位性を含め講演された大学病院の肝胆膵外科の先生に、「1年少し前に、7cm以上の大きさだった腫瘍が2cm程度になって、外科医からCS可能と言われたが、同時に手術は膵臓全摘などの状態」と伝えたうえで、CSすべきか単刀直入にお聞きしました。追加で現状の病態の質問など頂いた上で、考えこまれ「非常に難しい判断だと思います」と、見解を頂きました。私にはそのお答えで充分でした。
CS推進される先生が、CSすべきか否か、難しいという事は、本当に難しい判断(=どっちが良いか現代の医学で判断できない)である事と認識しました。


以上、自分の備忘録として、今の考えを記します。2019/9/11,12,2019/12/4


■癌放置という考えに対する追記。2019/9/12
・50代で2,000万円の住宅ローン残債すら返済できず、癌放置で死んで返済したい、
 (計画性が無かった?)、抗癌剤が怖いといった理由で、癌放置を実践しブログで
 書いているような自殺願望の方に発生する下記状況には、
 抗癌剤が効いている私には現時点で無縁です。
 癌放置は、癌や病気のカテゴリではなく、「自殺」のカテゴリに書くべきでしょう。


・痛みや辛さの度合いと、辛い期間の長期化は「癌放置」>「抗癌剤治療」のようです。
  →癌による腫瘍の増大による他臓器などへの圧迫などから生じる痛み、腹水など
  →癌が転移しようとする状況を止める要素が無く、放置は直ぐに転移を生み出す
  →がん悪液質(体重減少と食欲不振を伴うがんの合併症)が、放置で急速に悪化
   がん悪液質ハンドブック2019/3版 へのリンク


 当然「抗癌剤や積極的な治療」を行っても終末期には効かなくなって、同様な
 症状は出るようですが、医療用麻薬などを使う末期の緩和医療の期間も、
 「癌放置」するより「抗癌剤や積極的な治療」を行っている方が症状も軽く、
 苦しむ期間も相当短い(放置は数か月、治療者は数週間)のようです。
 この研究も進むと面白いと思います。ただ、放置のサンプルは少なく貴重です。


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